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古谷乳業「ミルクの束縛」から考えるネーミングのポイント

株式会社カケハシ・スタイル代表で中小企業診断士の田中大介です。

先日、がっちりマンデー!!の「儲かる!地元乳業」という特集で、古谷乳業のコーヒー牛乳が取り上げられていました。
その商品名は「ミルクの束縛」。他に、同社のヒット商品として、ヨーグルト「ぐうたら蜜バチ」も紹介されていました。

この2つの商品名に共通している点を考えてみると、とても興味深いことが見えてきます。

■ ネガティブワードが生む「ギャップ効果」

どちらの商品名にも、「束縛」「ぐうたら」というネガティブな言葉が使われています。

通常、商品をPRする際は、「濃厚」「芳醇」「爽やか」といったポジティブなワードを使う方が一般的でしょう。

そこであえてネガティブなワードを選択する。この理由は何でしょうか?

ネガティブなワードを使うことで、見る人に「え!なんで!」というギャップが生まれます。
そして、そのギャップを埋めたくなります。そして、その商品を手に取り、情報を読んでしまう。

青汁の有名なCM「まずい!もう一杯!」も同じ戦略ですね。まずいと言いながら、なぜもう一杯飲むのか。そのギャップが印象に残り、結果として記憶に定着する。

■ 弊社での実践例

弊社が運営するCDショップは、中古CDの買い取りをしています。査定をしっかりやっている、ということをPRする広告を打つ時、キャッチコピーを色々と考えました。

その時からずっと使っているキャッチコピーがこちらです。

『鈍』くさいのが自慢です。

これは、新聞を読んでいた時に気になった「くさりやすいのが自慢です。」というコピーを拝借して作ったものです。牛乳のコピーでした。

「え?くさりやすい!?どういうこと?」と注意を引かれる。そのギャップ=謎を解くために、説明文を読む。そうすると、「添加物が入っていないから、くさりやすいけど、自然の味わいなのです。」と特徴が書いてあり、印象に残ります。

「無添加の牛乳」というコピーだったら、きっと気に留めなかったでしょう。

特徴を伝えることが目的です。そのための手段として、ネガティブなワードを活用することはたいへん効果的です。

■ モノが溢れる時代だからこそ必要な「注目される力」

現代は、商品もサービスも大量に溢れている時代です。その中で手に取ってもらうためには、まず「注目される」ことが必要です。

「普通」では埋もれてしまう。だからこそ、「なんで?」と思わせる要素が重要になってきます。

古谷乳業の商品名は、まさにその「なんで?」を生み出している。そして、そのギャップを埋めようとする心理が、商品への興味関心につながっている。

弊社の「『鈍』くさいのが自慢です。」も同様です。なぜ鈍くさいのが自慢なのか。そのギャップを埋めるために、お客さまは説明を読み、結果として「一枚一枚、丁寧な査定をしてくれるお店なんだ」ということを理解してくれる。

■ ネーミングはブランディングの入り口

ネーミングは、ブランディングの入り口と言えるでしょう。

弊社では、ブランディングを「『らしさ』が100%伝わっているカタチをつくること」と定義しています。

商品・サービスの『らしさ』を伝えるための手段として、ネガティブワードは重要な一手です。

ただし、単にネガティブな言葉を使えばいいというわけではありません。その言葉の背景にある「特徴」や「価値」をしっかりと伝える必要があります。

ネーミングは手段であり、目的は「らしさ」を伝えること。この本質を忘れずに、モノが溢れる時代だからこそ、注目を集める工夫を考えていきたいですね。

『らしさ』を伝えるネーミングやデザインなど、お気軽にご相談ください。会社・お店の『らしさ』が伝わり、選ばれ、選ばれ続ける仕組みづくりをお手伝いいたします。

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