興味を好奇心にできるかが今後の小売・サービス業のカギ!?
中小企業診断士の田中大介です。
日経新聞より『ネット隆盛の中、「雑誌愛」育てる』という記事をピックアップします。
77万冊の雑誌を貯蔵する「雑誌図書館」の案内人、鴨志田さんを紹介する記事なのですが、鴨志田さんの言葉を読み、「これは、今の時代の小売・サービス業のあり方を示しているかも」と思いました。
ネット検索は瞬間的な興味を満足させて終わる。興味を好奇心にすることが大事。
欲しいと思っている情報はGoogleで、欲しいと思っているモノはAmazonで簡単に探すことができます。
そんな時代の中、小売・サービス業はどうあるべきか?
鴨志田さんの言葉にヒントがあると思います。
無限とも思える情報が詰まったネット世界は求める情報にピンポイントでたどり着ける一方、周辺の情報への関心が薄れてしまうと感じる。雑誌を読め、というわけではないが、興味ある記事とは別のページに近い情報があり、興味から好奇心に膨らむ。
子どものころ、辞書を調べながら、周辺の言葉に興味を引かれて読みふけってしまうことってありましたよね。ネット辞書には、そんな「周辺の情報」は存在しません。
「周辺の情報」から思わぬ好奇心が生まれることって、とても豊かなことだと思います。
紙という媒体にこだわっているわけではない。形は変わっても「知識を太い幹に育てる周辺の情報が得られる雑誌の魅力を発信すればいい」
「知識を太い幹に育てる周辺の情報」。うん、いい!
顧客が既に持っている興味に対して、それをただ単に充足させるだけであれば、今後、コンピューターに取って変わられてしまうかもしれません。
でも、思わぬ方向へと好奇心を広げるきっかけとなることは、アナログな「つながり」があればこそだと思います。
ちょっと抽象的な話になってしまいますが、どんな小売業・サービス業でも、顧客にとっての「周辺の情報」が存在するはずです。「これください」「はい、どうぞ」だけではなく、いかに寄り道してもらい、遠回りしてもらい、周辺へと案内できるかってことが、これからの小売・サービス業のポイントなのかも、と思います。