「伝わる」かたちをつくる。
中小企業診断士の田中大介です。
先日、商工会青年部の関東大会に部員として参加し、ヤオコーの川野幸夫会長の基調講演を聞きました。印象に残る講演でしたので、気付きをメモしておきます。
「十人一色」→「十人十色」→「一人十色」
「今やお客さまは、好みのはっきりとした生活のプロであり、こちらもその好みに応えるプロでなければいけない。」
皆が同じものを夢見て求めていた高度成長期から(「十人一色」)、モノが行き渡って人それぞれに個性を主張する世の中を経て(「十人十色」)、今や、ひとりひとりが生活シーン毎に消費スタイルを変化させるようになりました(「一人十色」)。
そういった消費社会の成熟化の中でヤオコーはどうして成長できたのか?
川野会長の答えは明快でした。
1. 質の高い企業哲学をしっかりと持つ
2. 商いのコンセプトが明確
理念とコンセプトの2つを考えることが、成長していく上で重要なんですね。
コンセプトのお話の中で、「何屋になりますか?」という問いも印象的でした。
Q. 何屋ですか?
A. スーパーマーケットです。
これでは、今の時代に選ばれない、ということですよね。
では、ヤオコーは何屋を目指したのか?
豊かで楽しい食生活提案型スーパーマーケット
ヤオコーは、食材を売るのではなく、豊かで楽しいライフスタイルを提案し売っているんですね。
「一人十色」な今、お客さまはシーンにあわせて色を変化させたり、様々な色を組み合わせたりしながら、豊かなライフスタイルを求めています。シーン毎の色の提案や、色の組み合わせ方の提案といった切り口が、今のお店には求められているんだな、と腑に落ちました。
自分たちはいったい何屋なのか?
私自身、しっかりと明確にしていきたいですし、企業やお店を支援する際には、その切り口をしっかりと頭に入れておきたいと思います。
コンサルティングをさせていただく中で、あらためて思うのは「経営理念」の大切さです。「経営理念」が軸となり、会社やお店の行動すべてが一貫していることが、経営のあるべき姿だと考えています。
「ワクワクするような体験」の提供は、今の小売で欠かせない、というか、最重要の切り口だと思っています。「欲しい!」、「そんな生活をしたい!」という顧客のスイッチをいかに押すことができるか。
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