存在意義を見直してみる。提供できる価値は何なのか?
中小企業診断士の田中大介です。
11月13日(日)の日経MJよりピックアップいたします。
「コト売るスーパー」という一面記事の中で、「スーパーの一部は、自らその存在意義を見直し始めている」という文章が目に止まりました。
人口減や高齢化や消費の成熟化により、顧客のニーズは大きく変化してきています。市場が縮小し、競争が激化する中、従来通りのビジネス・モデルでは顧客の心をつかむことはできません。
存在意義を見直さないといけないわけですね。
私は、「存在意義を見直す」とは「顧客に提供している価値」を改めて問い直すこと、と考えます。
かつてのスーパーの価値は、QCDでした。Quality、Cost、Deliveryですね。「利便性の高い場所で、鮮度の高い生鮮品を、リーズナブルな価格で提供する」ことが価値でした。
今は、それだけでは、顧客に選ばれません。
人口減で国民の胃袋が縮み、各社は「物販だけじゃダメ」と危機感を強める。集まれて、楽しめて、おいしく食べられる。そんな「体験」も提供する、新しい店づくりがはじまった。
イートインのスペースで、週に2回以上、イベントを開催するなど、買い物だけではない機能を店に持たせるスーパーも登場してきました。
福井県を中心に展開しているコンビニチェーン「大津屋」では、できたてバイキングが好評です。立ち寄りやすいという利便性、リーズナブルで高品質という従来の価値に加え、「温かな作りたての弁当を落ち着いた空間で食べる」という「ホッとする」時間を価値として提供し、その結果、セブンなどとの激しい競争の中で存在意義を作り出して顧客に選ばれているわけです。
提供できる価値は何か?と考え、存在意義を見直す。
今の時代に顧客に選ばれるためには常に考え続けなければいけない最重要ポイントです。