ハレの日に選んでもらえるお店づくり。そのためのポイントとは?
中小企業診断士の田中大介です。
本日の日経MJより注目の記事をピックアップします。
ブラジル料理、鍋料理、イタリアン、タイ料理など17の業態でレストランを運営する会社「ワンダーテーブル」についての記事です。
同社は、「トレンドは追わない。ニッチの中でトップになる」というスタイルで、ここ5年間、増収増益を続けています。
ポイントは、「高い専門性」と「ユニークな体験」にフォーカスしていること。
下記は、ブラジルの肉料理「シュハスコ」を手掛ける『バルバッコア』の好調の理由は?という問に対する回答です。
理由の一つは本物のブラジルスタイルを追求しているからです。メニューもパスタとか追加メニューを安易に増やすようなことはしません。サラダバーをもっとおいしくできないか、主力の肉をもっと上手に切れないか、などと徹底的に磨き上げます。
売上が思うようにいかない時、新たなメニューを増やしたり、値下げをしたりすることは比較的簡単です。そうしたいのをグッとこらえ、品質を磨き続ける姿勢に共感します。
消費者の低価格志向が強まっている、と最近よく言われていますが、中小企業や小さなお店はみな値下げしないと生き残れないのでしょうか?
私の考えは「否」です。
低価格志向といっても、すべての消費を抑えることはきっとないでしょうし、すべて低価格なモノで揃えることもないはずです。それでは息が詰まってしまいます。
節約するところは抑え、その代わりに使うところでしっかりと使う。そうした生活スタイルが想定されます。
使う場面で選んでもらえるかが中小企業の売上アップを握るカギだと考えます。
ただ、厳しい節約の反動での消費ですので、消費者の求めるレベルは高くなっています。そこで選ばれるためには、これまで以上に「高い専門性」と「ユニークな体験」に磨きをかけていく必要があるでしょう。
コンビニエンスストアと競争しても勝てるわけありません。日経ビジネスが外食危機という特集を組み、ハレの日を思い出せと書いてありました。まさに我々はハレの日に特化しているわけです。
ハレの日に選んでもらえるお店づくり。そのためのキーワードが「高い専門性」と「ユニークな体験」と言えそうです。