「商品・サービス力」×「伝える力」=企業の力
中小企業診断士の田中大介です。
今日は、「伝える力」の大切さについてです。
私は、企業の力とは「商品・サービス力」×「伝える力」だと思っています。
人口減少や消費の成熟化といった社会の変化の中で、高い「商品・サービス力」は必要条件ですが、十分条件ではありません。高い「商品・サービス力」の源泉となる経営者の想いやこだわりを消費者に伝え、共感を得ることが重要だと考えています。
昨日、ソーセージやハムなど加工食品を製造している会社にWebの販売促進支援で伺いました。そこでは、後継者が最高の加工食品を作りたい、という強い職人魂を持ち、日々、研究・改善しながらおいしさを追求しています。一方で、その職人魂を顧客にいかに伝えるか、という点が課題となっている、という状況でした。
後継者の中での比重は「おいしさの追求 9割 : 伝えること 1割」で、「おいしさ」を顧客に広めていくために、発信を強化しながら「おいしさの追求 5割 : 発信 5割」にしていきましょう、というお話をしました。
なぜ、「伝える力」が「商品・サービス力」と同じぐらいに重要なのか?
ポイントは、顧客が買っているものは「何」か?ということです。
顧客が買っているものは、ただ単に「おいしいソーセージ」でしょうか?「おいしさ」だけで言えば、私的には大手メーカーのもの(好きなのはシャウエッセン^^!)も充分すぎるぐらいにおいしいです。
「おいしさ」だけにお金を払っているわけではないですよね。
きっと、『商品に込められた生産者の想い・こだわり』や『その地に来た記念や思い出として』や、パッケージを見て「わぁ、これと一緒にビール飲んだら最高だろうな。今晩の晩酌が楽しみだ。」という『期待感、ワクワク』など、モノの周りにあるストーリーにお金を払っているのではないか、と思います。
顧客は、商品を通して、作り手や自分自身のストーリーを買っているわけです。だから、想いやこだわりを伝えることがとてもとても重要になってきます。
「商品・サービス力」×「伝える力」= 企業力。
「商品・サービス力」を高めていくことはもちろん、「伝える力」も同じように磨いていきたいですね!