帰国後にいかに売るか。インバウンドの新たな局面!?
中小企業診断士の田中大介です。
日経MJより「訪日客、過去最多229万人」という記事をピックアップします。
日本政府観光局が発表した7月の訪日外国人数は、前年同月に比べて19.7%増の229万7000人だった。
気になるのは日本の景気への影響ですよね。
訪日客といえば「中国人による爆買い」というキーワードが浮かびますが、今年4月に中国政府が発表した海外購入品への関税引き上げによって「爆買い」の勢いは鈍っています。
(なお、この関税引き上げ施策により、酒や化粧品 50%→60%、高級時計 30%→60%、家電 20%→30%に引き上げられました。)
「爆買い」による景気への好影響は残念ながら今後はそこまで期待できませんが、といっても、229万人の外国人が日本に来るわけですから、チャンスであることは間違いないですよね。
個人的に注目すべき点は、彼らが帰国した後、越境ECで日本で買ったものを再び購入したい、というニーズが増えていることです。
みずほ情報総研がアジアから訪日した600人強を対象に調べたところ、7割以上が旅行中に買った商品を帰国後も再び買いたいと感じていることが分かった。
日本ならではのホスピタリティに満ちた買い物体験を通し、日本の高品質な商品に触れることで、日本製品やサービスのファンとなり、帰国後に再購入する。
そういった流れが生まれてきているわけですね。
商売では、「新規客」より「既存客」を大切にしよう、とよく言われますが、
・はじめて日本に来た訪日客=「新規客」
・帰国した訪日客=「既存客」
とすると、今後は、「帰国した訪日客=既存客」とどれだけ関係性を構築・維持し、継続した消費に結びつけていくか、ということが大切になりそうですね。
インバウンドも新しい局面に入ってきた気がします。