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マーケティングの重要キーワード「提供価値」について掘り下げてみる。

カケハシ・スタイル代表で中小企業診断士の田中大介です。

『小さな会社・お店のためのやさしいマーケティング学」』と題して、マーケティングやブランディングについてできる限り分かりやすく解説してまいります。

第一回目の前回は、マーケティングの定義を考えました。
マーケティングとは「お客さまに選ばれ続ける仕組みづくり」です。
選ばれるためには「提供価値」が、選ばれ続けるためには「共感」が大切です。

今回の第二回では、私がとても大切だと考えているキーワード「提供価値」について考えていきます。

そもそも「価値」とは何でしょうか。
よく使う言葉ですが、何だかフワフワしていますね。
100人に聞けば、100通りの答えが帰ってきそうです。

顧客は何にお金を払っているのか？
経営においていは、それを考えることが価値を考えることと同義と言えます。

マーケティングの有名な言葉に「ドリルを買う人が欲しいのは、○○である。」というものがあります。
○○に入るのは何でしょうか？顧客は、何のためにドリルを買うのでしょうか？

答えは「穴」です。
「ドリルを買う人が欲しいのは、穴である。」

もっと早く穴を開けたい、もっと大きな穴を開けたい、力のない女性でも穴を開けられるようになりたい。
そんな願望や困りごとがあって、それを解決するために、ドリルを買うわけです。
（「カッコ良いからどうしてもこのドリルが欲しい」というドリルマニアはいるかもしれませんが＾＾）

下の図をご覧ください。
左側に私たち「会社・お店」があり、その反対側には「お客さま」が居ます。
お客さまは、困りごとや願望を持っています。
困りごとや願望が、よく言われる「ニーズ」です。
ニーズを持ったお客さまが居る。
私たちが提供する「商品・サービス」によって、お客さまのニーズを解決する、満たすわけです。

お客さまは何にお金を払っているのか？
商品・サービスの対価としてお金を払っているのではなく、ニーズを解決してくれた、満たしてくれた、その対価としてお金を払っているわけです。
ここはとても重要なポイントです。

価値とは「ニーズを満たしたハッピー」と定義できますね。

皆さんのお客さまは、いったい何にお金を払っているのでしょうか？
それを考えることは、皆さんの提供価値を考えることです。
提供価値を言葉にすることは、選ばれるための第一歩であり、マーケティングの原点です。

次回は、吉野家を例に、提供価値について具体的に考えてまいります。お楽しみに。