「爆買い」より「思い出」!?訪日中国人の消費スタイル変化で「地方」にチャンス!
「中国人」で思い浮かべるキーワードは?今ならナンバーワンは「爆買い」でしょうか。
2015年に訪日外国人の数がはじめて2000万人を突破しましたが、中国人の訪日客を調べてみると・・・おぉ、すごい増えっぷり!(日本政府観光局(JNTO)の統計より作成)
なぜ、これほどまでに訪日中国人の数が増え、そして、爆買いを行うのでしょう?
下記の3つがその主な理由のようです。
1. ビザ発給要件の緩和
15年1月に日本政府が中国人に対するビザ発給要件を緩和して、訪日がしやすくなった。
2. 人民元高
2014年から2015年にかけて、人民元に対し円安となり、中国人からみて旅行代、買い物代が安くなった。
3. 税制の関係で割安
「関税」等の税が上乗せされる輸入品に比べ、日本での直接購入は割安。
では、今後も爆買いは続くのでしょうか?
最近は、「爆買い」は収まっていく、という論調が主流のようです。
(1)円高(2)日本での購入品にかかる税の引き上げ、により、割安感が薄れていることが大きな理由ですが、それだけではないようです。
2016年6月27日の日経MJの1面の見出しが「今どき中国人 モノより思い出」。
日本ではここ数年で「モノからコトへ」とよく言われていますが、中国もまた、生活が豊かになったことにより、モノより体験に感心がシフトしているようです。
新たな消費世代として「90後」世代が取り上げられていましたが、なるほど、車やブランド品に興味を抱かなくなった日本の若者と同じ感じ。
「90後」世代:1990年代生まれ
貧しさを知らず、自らが豊かさを享受する前に経済成長が鈍化したこともあって社会に対して冷めた目を向ける。個性を重視し、周りに流されない消費スタイルが特徴だ。
さらに、リピートする訪日客が増えていることも「モノより思い出」へとシフトしている要因のようです。訪日客も成熟化しているんですね。
(観光庁の観光統計コラム「第3回 中国人の「爆買い」はいつまで続くのか?」より)
日本で【今回したこと】では、60%超えで「ショッピング」がダントツで割合が高いですが、【次回したいこと】では、30%ほどと半数に減っています。
その分、【次回したいこと】として増えているのが、四季の体感や日本の生活文化体験など、まさに「コト」の消費。
今後、訪日中国人の消費を引き出していくには、日本ならではの「体験」をどう提供していくかがポイントになってきそうです。
「爆買い」では東京や大阪など都心が舞台でしたが、これからの訪日中国人消費では、地方にもチャンスがありそうですね。