これからの小売のかたち!?「気持ち・シーン別」の売り場づくり
中小企業診断士の田中大介です。
日経MJ紙より気になった記事をピックアップいたしましょう。
「めざせダントツ店」コラムより「気持ち・シーン別売り場」という記事です。
銀座の商業施設「東急プラザ銀座」の3~5階にオープンしたHINKA RINKAの事例が取り上げられていますが、マーケティング&ブランディングの好事例だな、と感じました。
ターゲットを明確にし、そのターゲットがハッピーになるコンセプトを決め、そのコンセプトを軸に、売り場に一貫したストーリーを持たせていく。
顧客体験が見事に提案されているな、と感じます。
記事を元に、情報を整理してみましょう。
ターゲット
「品格」と「凛」とした心を持ち、年齢にとらわれずファッションを楽しむ大人の女性
コンセプト
年齢層やアイテムで分類しがちな売り場を「気持ち」やシーンを軸に展開
各階のテーマと品目
【3階】
テーマ:高揚感・刺激・発見
品目:世界中で買い付けた雑貨、衣料品、化粧品
【4階】
テーマ:憧れ・ときめき・特別感
品目:婦人靴
【5階】
テーマ:共感・自然体・くつろぎ
キーワード:「東京から発信するスタンダード」
品目:スニーカー、雑貨、カフェ
「今までの百貨店のようにアイテムで分類すれば見やすいが、刺激がない」
「物を買うだけならネットで事足りる。リアルな店舗に求められるのは、ワクワクするような体験をしてもらうことだ」
私も、「ワクワクするような体験」の提供は、今の小売で欠かせない、というか、最重要の切り口だと思っています。
「欲しい!」、「そんな生活をしたい!」という顧客のスイッチをいかに押すことができるか。
買いたいものが決まっていれば、ネットで検索し、最安のところで買って終わりです。価格と便利さではネットに勝つことは難しいでしょう。
大事なのは、いかにお客さまの潜在的な興味を引き出せるか。
そこがこれからの小売のポイントになると思っています。