三谷幸喜が『真田丸』に込めた想いから考える、会社の「コンセプト」の大切さ
中小企業診断士の田中大介です。
NHK大河ドラマ『真田丸』、いよいよ明日、最終回ですね。
スポニチ・サイトに掲載された三谷幸喜さんのインタビューを読んで、「なるほど、だから毎回、惹き込まれるのか」と唸ったと同時に、経営にも当てはめられるなぁ、と感じました。
真田信繁を描くにあたり『信繁とは何だ?』と考えた時、信繁は決して人生の勝者ではなく、敗れていった人すべての代表であるような気がしました。その部分を前面に押し出すことで、信繁がただのヒーローではなく、勝てなかった人たちの“守り神”になれるといいなと思いながら描きました。
勝てなかった人たちの守り神・・・か、かっこいい。
三谷さんが脚本に込めた想いを、経営に当てはめて考えてみましょう。
私は、経営で大切なのは「選ばれるための仕組みづくり」で、その軸となるのは「コンセプト」だと思っています。
コンセプトとは、商品やサービスを通して、顧客のどんな困りごとを解決するか、どんな価値を提供するか、ということで、以下の質問に応えることで、考えることができます。
我々は〇〇を売っているのではない。□□を売っているのだ。
○○には販売しているモノ(商品・サービス)が入り、□□には、モノを通して顧客が受け取る「コト=価値」が入ります。
例えば、
スターバックスは「コーヒー」を売っているのではない。「第三の場所での寛いだ時間」を売っているのだ。
と言えます。
真田丸の脚本のコンセプトは、こう言えますね。
『真田丸』は、「真田信繁」の物語ではない。「敗者の守り神」の物語なのだ。
想像をかきたてられるし、すごくワクワクしますよね。これだけで「あ、見てみたい」となります。
□□の部分をどう設定するかによって、物語は大きく変わるはずです。経営で言えば、同じ商品・サービスを提供していても、□□の部分によって売り方は大きく変わるはずです。
三谷さんのインタビューを読みながら思ったのは、経営とは脚本を書くこと、とも言えるな、ということです。
経営者の仕事は、会社やお店を舞台に、顧客や社員がワクワクと活動するストーリーを描いていくこと。
そして、私自身のコンサルタントとしてのあり方は、そんな脚本を経営者と一緒に書いていくことだな、そうありたいな、となんだかすごく腑に落ちました。
私はコンサルティング・サービスを提供しているのではない、クライアントと顧客との新たなストーリーを提供しているのだ。