五感に働きかけるマーケティングとは?
2016.08.29|
マーケティング|
中小企業診断士の田中大介です。
日経MJより「経験のデザイン」という記事をピックアップします。
記事では、2万円を超える値段ながらヒットしたバルミューダ社のトースターを題材に、そのヒットの理由を探っています。
ヒットの要因として着目されているのが、「おいしくパンが焼ける」という機能だけでなく、このトースターとともにある「経験」が巧みにデザインされている、ということ。
ユーザーがトーストを手にする瞬間にも気を配った。外観は鋳物の鍋や薪ストーブをモチーフにした。そんな道具で調理したことを思わせる意図だ。
残り時間を知らせるオレンジ色のライト、調理が終わったことを知らせる音は多数の候補の中から心地よいものが選択された。
おいしさを五感で感じるとともに、調理の過程やトーストと出会う場面もおいしさにつながるとの考えである。
こうした、「使う」というだけでない、使うことを通じて得られるトータルな体験のことを「ユーザー体験=UX」と言います。
「モノ」の機能性だけではなかなか差別化することができず、消費者の心を捉えることが難しくなっている今、使い心地・感動・印象など、製品やサービスにまつわるユーザー体験も意識しながらマーケティングしていくことが重要になってきています。
「製品」だけの視点からズームアウトし、それを使う人の経験までをフレームにおさめて考えてみる。
これまでより俯瞰した視点で考えていくことが求められていくわけですね。