提供価値づくりフレーム。誰でも「提供価値」が考えられる!?
カケハシ・スタイル代表で中小企業診断士の田中大介です。
『小さな会社・お店のためのやさしいマーケティング学』と題して、マーケティングやブランディングについてできる限り分かりやすく解説してまいります。
前回までに、選ばれるためには「提供価値」が大切で、「提供価値」とはモノとコトの2つに分けられることをお伝えいたしました。
モノとコトの2つで整理できたところで、提供価値を一言で表現してみましょう。
なかなか一言では難しい?
そんな皆さまのために、提供価値づくりフレームを考案いたしました。
下記のフレームに当てはめて考えることで、誰でも提供価値を一言で表現することができます。
この「○○」には、皆さんが扱う商品・サービスが入ります。
そして、「□□」には、コトを表す言葉が入ります。
例を上げてみましょう。
- 私たちはコーヒーを売っているのではない、「第三の場所での時間」を売っているのだ。
- 私たちは牛丼を売っているのではない、「忙しさの中の満腹と笑顔」を売っているのだ。
- 私たちは食品の販売を通して、「豊かで楽しい食生活」を提供しているのだ。
- 私たちは建設事業を通して、「人がいきいきとする環境」を創造しているのだ。
弊社は、音楽CDのネット販売事業も行っています。
市場としては下り坂のビジネスとは思いますが、多くの常連のファンに支えられて、売上はまだまだ順調です。
なぜ選んでもらえているのか?
私は断言できます。提供価値が明確だからです。さらに、提供価値からブレずに営業し、提供価値を絶えず発信しているからです。
音楽CDのネット販売事業の提供価値はこちらです。
この提供価値を定めたのは2010年頃でした。ここから事業は大きく変わりました。
例えばブログです。それまでは、入荷情報を発信していました。
でも考えました。果たして入荷情報で「ロック探究のワクワク感」を売っていることになるのか?
そこから、例えば「ビートルズが好きな人にオススメの南米の70年代ロック10選」みたいな記事を中心に上げることになりました。
事業のすべてを「ロック探究のワクワク感」という軸で見直し、迷った時は「ロック探究のワクワク感」を売るにはどうあるべきか、と考えていきました。
提供価値を定め、すべてを提供価値から考える。
是非、提供価値づくりフレームに当てはめて、皆さまの提供価値を一言で表現してみてください。
きっと事業が変わるはずです。