東秩父村の表具店のブランディング事例(経営計画策定、Web・チラシ・看板制作)
カケハシ・スタイル代表で中小企業診断士の田中大介です。
たかの表具店さま(以下、敬称略)のブランディング事例を紹介いたします。
たかの表具店は、東秩父村にある表具店です。ふすまや障子の張替えが主な仕事で、個人宅のほか、秩父の古民家リノベの宿泊施設「NIPPONIA 秩父 門前町」や地域の高級旅館等の実積も多くあります。
これまでは、建具業者や内装業者から主に受注していましたが、「職人としての技術を活かしてもっと地域の一般のお客さまにも貢献していきたい」という想いを持たれており、「近隣の市町村における認知度を高め、直接依頼をいただく流れをつくる」という経営方針を立てられていました。そのためのWebや販売促進ツールの活用が今回のご相談でした。
当社代表がヒアリングを行い、ビジネスモデルの整理を行いました。創業からの流れ、現在の事業の概要、経営諟題とビジョンをお聞きしながら、どんな価値を提供してきたのか、今後提供していきたいのか、そのための源泉となる強みは何かを共有していきます。
たかの表具店の強みは下記の3つに整理できました。
- 職人としての経験が豊富で、高い技術が必要なふすまの張替えにも対応できる。茶室の経験も豊富にある。
- 和紙の知識が豊富で、全国の様々な種類の和紙を知っている。
- 太鼓襖(縁のないふすま)、透かし襖、レンガ張りや乱張りなど、ふすまの張替えに関しては、あらゆる要望に応えることができる。
鷹野代表の想いやビジョンについてもヒアリングしました。「ふすま文化を後世に伝えたい」という想いがあり、「ふすまは、使うふすま紙によって印象はガラリと変わる。空間や要望にあわせて紙を提案し、一緒に紙を選び、それによって空間の魅力が増す、という体験を売っていきたい」というビジョンを持っていることが分かりました。
代表が培ってきた強み、想い、ビジョンを踏まえて、たかの表具店の提供価値を下記のように定義しました。
「紙を選び、空間を造る喜びを提供する。」
ブランディングは「提供価値をみんなが知っている状態にすること」と弊社は考えています。そのための手段として、ホームページ、新聞折込用のチラシ、看板を制作し、さらにGoogleビジネスプロフィールの設定もお手伝いいたしました。
販促ツールの制作にあたり、価値提供の源泉を直感的で分かりやすいように3つに整理します。下記の通りに整理しました。
- 豊富な「紙」の知識と提案力
- 創業35年の技術力
- 地元職人の安心感
看板はできる限りシンプルにしました。
看板のデザインのポイントは「メッセージは1つ、要素は3つまで」と考えています。
特に野立て看板では、車から一瞬で視認してもらえる必要があるので、多くを詰め込むことはできません。
伝えたいことはたくさんあります。それを「要するに一言で言うと何なのか?」「これを言葉ではなく、イメージで伝えられないか」などと抽象化していきながら、多くの価値が一度に伝わる言葉やイメージを探していきます。
出来上がったものを見れば、すぐに作れそうですが、実際には、何度も何度も構成やデザインをやり直しながら、要素を削ぎ落としていっています。
ホームページは、今後の運用方針と予算を踏まえて、無料のWixを使って制作しました。
Googleビジネスプロフィールを見ると、嬉しい口コミがありました。
「襖の紙はおしゃれなものもあり、選ぶのが楽しかったです。」
今回のブランディングのサポートを通じて、「紙を選び、空間を造る喜び」を多くの人が体験し、鷹野代表の「ふすま文化を後世に伝えたい」という想いが実れば嬉しいなと思っています。