「お客さまとの関係性の構築」で大手の「利便性」を打ち負かせ!
中小企業診断士の田中大介です。
本日の日経MJで、ユニクロがセール頼みからの脱却に挑む、という記事が出ていました。
これまでのユニクロの成功を支えていたのは、フリースやヒートテックなど機能性が高く安い商品です。
でも、最近は他社の追従によって優位性が崩れ、価格競争に陥った結果、お店としての魅力が薄れて国内店舗の売上前年割れと苦戦しています。
これからのユニクロが機能性や低価格に加えて打ち出していくのは、
・利便性
・ファッション性
の2つ。
利便性では、5,000坪の大型倉庫が17年に本格稼働予定で、既成品だけでなく、今好評のセミオーダー品もネット通販で翌日発送を実現。ファンション性では、元エルメスのデザイナーのルメール氏と組んだ商品を現在も投入していますが、ルメール氏をパリの研究開発部門に正式に迎え入れ、さらにデザインを追求していくようです。
「価格と品質、ファッション性すべてが両立しないといけない時代」
恐るべし巨大企業ユニクロ・・・。
大手が、巨額の資金を投資し、価格だけでなく、利便性もファッション性も追求していく中、小さなお店はどう対抗していけばいいのでしょうか?
その答えの一つとして私が考えるのが「お客さまとの関係性の構築」。
「利便性」は使う側にすると嬉しいですが、ワクワクしないですし、グッとくることもありません。「利便性」の追求ではすくえない、「心を満たす」消費へのニーズもきっとあるはずです。
「あの店、なんか良いよねぇ」「わかってるよねぇ」
そんな共感を生み、お客さまの心を豊かにするパートナーとなること。お客さまとの長く濃密な関係性を構築していくことが、大手に対抗する切り札となるはずです。
具体的には、
・ニューズレターでの店主やスタッフの人柄への共感づくり
・POPで彩ったワクワクする店作り
・イベントでのリアルな「体験」の提供
などが打ち手として考えられるでしょう。
機能性や利便性や価格では、資金力があり、スケールメリットの効く大手に到底かないません。でも、お客さま一人ひとりと関係性を築くのなら、むしろ小さなお店の方が利があるはずです。