どの商品・サービスをウリとすれば良いのか。考えるポイントとは?

株式会社カケハシ・スタイル代表で中小企業診断士の田中大介です。
中小企業診断士として、ある和菓子屋さんの経営計画づくりをサポートしました。
その中で「どの商品をお店のウリとするのが良いのか迷っている」という相談がありました。
お店のウリとする商品・サービスはどのように考えて決めるのがいいのでしょうか?
結論から言うと、私は、自社の提供価値を伝えるための手段として考えることが大事だと思っています。
「梅林堂」の戦略的な商品選択
例えば、埼玉県の大手和菓子店に「梅林堂」があります。
梅林堂のホームページを見ると、「やわらか」というお菓子がメインに紹介されています。
私は、梅林堂は、自社の提供価値を伝えるために、戦略的に「やわらか」を選んではないかと考えます。
「やわらか」は、しっとりとした食感の生サブレで、個人的には、洋菓子のような味わいも感じます。大学生の私の息子も「やわらか」が好きです。
きっと、梅林堂は、新たな顧客層を開拓するために、未来のファンを作るために、自社の立ち位置を考えた上で、「やわらか」を戦略的に選んだのだと思います。
ウリ商品が与えるイメージの違い
「やわらか」がウリの和菓子屋だとして、顧客はいったいどのような和菓子屋だとイメージするか?
例えば、①「塩大福」がウリの和菓子屋と②「やわらか」がウリの和菓子屋では、想起されるイメージが異なるはずです。
「塩大福」がメイン商品であれば、「伝統的で、和の心を大切にする和菓子屋」というイメージを抱く方が多いかもしれません。
一方、「やわらか」がメイン商品であれば、「新しい感覚を取り入れた、現代的な和菓子屋」というイメージになるでしょう。
最初に考えるべきは「自社がどうイメージされたいか」
①自分たちの会社・お店がどのようにイメージしてもらいたいか
②そのようにイメージしてもらうために、どのような商品をメインに打ち出せば、そのイメージを浮かばせることができるのか?
そこを戦略的に考えて、メイン商材を選ぶことが大切だと思います。
単純に売れているから、作りやすいから、利益率が高いからという理由だけでウリ商品を決めるのではなく、「どんなお店・会社だと思われたいか」という視点で戦略的に決めることが、長期的にファンを作り、選ばれ続けるために重要です。
商品やサービスは、お客さまに自社の「らしさ」を伝える大切な手段。その視点で、改めてウリ商品を見直してみることが大切です。