心を動かすために伝え方を考えてみる
中小企業診断士の田中大介です。
相手の心を動かす難しさ、日々、痛感している人も多いと思います。
朝日新聞の「心を動かすために 渡辺が知恵を絞った応援ポスター」という見出しの記事を読み、伝え方によって受け手との関係性が変わり、響き方が変わるんだな、と考えさせられました。
ITを駆使して試合のデータを分析するチーフアナリストとしてチームを支える渡辺啓太さんは、「データを生かしてもらうためにも、最終的には『心を動かす』ことこそが、大切なのではないか」と考え、選手を応援する「モチベーション・ポスター」を作り始めます。
日付が変わるまでアナリストの「本業」をこなし、選手やほかのスタッフが寝静まった後、その「モチベーション・ポスター」づくりに没頭した。その日の練習状況を見て、どんな言葉を投げかけるのがチームにとって効果的かを考え、その言葉を伝えるにはどんな写真が最適か悩んだ。選手たちが練習に来る午前6時より前には貼りだした。
イチローや羽生善治や本田宗一郎などの言葉を選手たちの写真とともにポスターにして伝える。
思ったのは、もし言葉だけを貼ったのであれば、響かなかったんじゃないか、ということ。
言葉だけでは、渡辺さんと選手との立ち位置は、向かい合うかたちになり、選手を啓蒙する、という関係性になる気がします。
写真を加えると、その関係性はどう変わるか?
僕は、伴走のかたちになるのではないか、と思いました。
写真があることでそこに「物語」が生まれる。受け手は、「言葉」ではなく、「物語」を受け取る。
物語の世界に自分が入り込み、物語の先へと意識が向かい、横から「がんばろうぜ」と投げかけられている感じになるのではないか、と思います。
写真があるかないかで、向き合うかたちが伴走のかたちとなる。
伝え方一つで受け手の印象は大きく変わるんですよね。何を伝えるか、だけでなく、どう伝えるか、をもっともっと考えないといけないな、と思います。