事業承継のあるべき姿とは? 新たな価値創造の方向で考える。
株式会社カケハシ・スタイル代表で中小企業診断士の田中大介です。
先日、ある会議で事業承継がテーマになりました。
事業承継についての議論を聞きながら、自分自身の日々の仕事を振り返ってみました。
私は中小企業診断士として、経営革新計画の策定支援を日々行っています。
ここ3ヶ月間の案件を思い返してみると、第三者による事業承継に関わる案件が3件ありました。
老舗の和食店
従業員である料理人が、今後事業を承継するにあたり、ビジョンを明確化するために経営革新に取り組みました。
昭和創業の学習塾
従業員である塾講師がすでに事業を承継しており、新たな代表として事業計画を策定しました。
10年以上閉店していた喫茶店の復活
長らく営業していなかった喫茶店を、町内で別事業を営む事業者が引き継ぎ、ノスタルジーいっぱいの喫茶店として復活させました。
事業承継は補助金も交付されており、国も力を入れている分野です。
実際、相談案件は着実に増えています。
創業時に既存のお店を引き継ぐ案件も、過去には数件ありました。
親族以外の第三者による事業承継は、確実に選択肢の一つになったと実感しています。
事業承継は「新たな価値創造」の営みである
事業承継について、改めて考えてみました。
私は、ビジネスモデルとは「価値を創造し、価値を伝える仕組み」だと捉えています。
元々の事業者は、長きにわたって顧客に選ばれてきました。
そこには、独自の価値創造と、その価値を顧客に伝える仕組みがあったはずです。
そこに新しい経営者が加わる。新しいノウハウや熱意、視点が加わることで、新たな価値創造につながっていく。
「その両者が出会わなければ生まれ得なかった唯一無二の価値の創造」
それが事業承継のあるべき姿だと思います。
単なる「経営資源を手に入れる営み」でも、「経営のスピードを加速させる取り組み」でもない。
事業承継の本質は、経営資源の移動ではなく、「売り手」と「買い手」の個性が重なり合い、化学反応して生まれる、新しい価値の創造にあります。
双方のビジネスモデルを理解し、かけ合わせること
そのために必要なのは、双方のビジネスモデルを徹底的に理解し、「言葉」にすることです。
まず、買う側が、売る側のビジネスモデルを正しく「言葉」にすること。
なぜこのお店は長年選ばれてきたのか。どんな価値を創造し、どのように伝えてきたのか。そこを深く理解することが出発点です。
そして、買う側もまた、自分たちのビジネスモデルを改めて「言葉」にした上で、双方のビジネスモデルをかけ合わせ、この事業承継がなければ生まれ得なかった新たな価値創造と伝達の仕組みをつくることが大切です。
価値創造の仕組みを言語化する
価値創造の仕組みを言語化すること。
それは、私にとっての使命だと感じています。
事業承継においても、元の事業のビジネスモデルを言語化し、承継する側のビジネスモデルも言語化する。その上で、両者をかけ合わせた新たな価値を言語化する。
この一連のプロセスに、中小企業診断士として、ブランディングディレクターとして、しっかりと貢献していきたいと思います。